腱板損傷

 腱板損傷は、腱板と呼ばれる肩の筋肉が損傷した状態です。野球の投球動作など、肩を酷使した動作を繰り返し行うと腱板損傷を起こすケースもありますが、外傷や転倒といった事故の後に腱板損傷が見つかる場合もあります。また、60歳以上の約半数は症状がなくても腱板損傷を起こしているという報告もあります。今回は、腱板損傷について治療法や予後について確認していきます。今回のコラムを読んで自分に当てはまるという人は、病院を受診し適切な対応を取っていきましょう。

 腱板損傷について説明する前に、腱板とは何かについて説明します。腱板とは、肩を動かす際に非常に重要な役割をする筋肉の総称で、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋のことを指します。

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画像:人工関節ライフ

この筋肉が上手く働かないと、他の筋肉や組織がストレスを受けやすくなります。肩の障害を起こさないためには、この腱板を上手く働かせることが非常に重要となります。
腱板損傷とは、この腱板が何らかの原因で傷つき、損傷してしまった状態のことです。腱板損傷は、先に挙げた4つの筋肉のどれかに損傷が起こると症状が現れますが、臨床的には、棘上筋と呼ばれる筋肉の損傷が多いと言われています。

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画像:人工関節ライフ

 腱板損傷になると、主に腕の挙上障害が起こります。挙上障害になると、腕を挙げる際に痛みを生じたり、腕に力が入らず腕が挙がりにくくなったりします。

同じような症状に、肩関節周囲炎(一般的には四十肩や五十肩と呼ばれる)がありますが、これらと腱板損傷には違いがあります。肩関節周囲炎は、肩に炎症が起きるため、肩を挙げれば挙げるほど痛くなるという特徴があります。

 一方、腱板損傷は特定の角度の時のみ痛みを生じます。一般的には60度から120度の間で痛みを生じ、この範囲を超えると痛みがなくなります。なぜ、このような症状が起こるかと言えば、腱板損傷を起こすとインピンジメント症候群を引き起こすと言われているからです。

 インピンジメント症候群とは、肩を挙げた時に肩の骨と腱板の一部がぶつかってしまう症状の事で、ぶつかった部分に損傷部位があると痛みを引き起こします。また、インピンジメント症候群を放置していると、繰り返しぶつかり合うために、損傷部位が徐々に広がるという悪循環が起こります。

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画像:人工関節ライフ 

 腱板は一度損傷を起こすと、自然治癒はせず、徐々に損傷が大きくなります。そのため、損傷部位を大きくしないようにするのが重要です。損傷部位を大きくしないためにできるのは、インピンジメント症候群を予防することです。これを予防するには、腱板のトレーニングが有効です。損傷した筋肉以外の筋肉を鍛えれば、肩の関節機能を代償することができるでしょう。

損傷部位が広がり、日常生活に支障が出てしまっているなら、手術で腱板を修復します。手術は現在、関節鏡で行えるようになり、組織の損傷も少なくなってきています。手術後すぐに、腕の機能が回復するわけではありません。術後3週間は肩に装具を付けて、手術した部位を保護します。装具が取れたら少しずつ肩を動かすトレーニングや肩の筋力トレーニングを行っていきます。手術した腕が実用的に使えるようになるまでは、手術して2ヶ月程リハビリをしなければなりません。スポーツ競技などの復帰を目指している方は更に2ヶ月から3ヶ月ほどリハビリが必要となります。

腱板損傷は、自然治癒する事はありませんが、必ずしも手術をしなければならない訳ではなく、発症した年齢やどの程度の機能障害が起こっているかで対応が大きく異なります。肩を専門に扱う整形外科クリニックなどを受診して、医師と今後の対応について決定して下さい。

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